従業員の相続問題
身近にある相続問題
会社の従業員の方から、しばしば次のような相談を受けます
・理不尽な遺産分割協議書に署名捺印するよう、兄弟から求められた。
・他の兄弟が結託して、自分に不利な遺産分割を進めようとしている。
・亡くなった親の遺言書が見つかったが、自分の取り分があまりにも少ない。
・亡くなった父親に実は隠し子がいたことが判明し、揉めている。
会社の業務への影響
相続は突然に起こります。親や親しい人が亡くなるだけでも痛ましくショックを受けることですが、それに加えて相続争いが発生すると、さらなる精神的ストレスは計り知れないものがあります。
そして、相続争いがこじれると長期化しやすく、精神的なストレスも長期間続きますので、会社の業務への影響も長期化しやすいです。
相続問題について弁護士ができること
相続が発生したとき、遺族(相続人)の間で揉めることなく遺産分割についての話し合いがまとまればよいのですが、揉めた場合、法的な手続きに入ることになります。
その場合、弁護士が代理人として遺産分割協議をして話がまとまることもあります。
協議だけではまとまらない場合、遺産分割調停を申し立て、それでも合意に達しない場合、遺産分割審判に移行します。
ややもすれば感情的な対立に発展しやすい相続紛争も、弁護士が入って、法的に粛々と進めて行けば、従業員ご本人の精神的な負担は大幅に軽減されることが多いです。
ところで、亡くなった父が遺言書に「全財産を長男に相続させる」と書いていた場合でも、次男は、全然相続できなくなるわけではなく、一定の割合の遺産を受け取る権利があります。これを遺留分と言います。
父が亡くなる直前に長男に全財産を生前贈与してしまっていた場合でも、次男には遺留分があります。
この遺留分を請求する権利を行使することを「遺留分減殺請求」と言います。この遺留分減殺請求は、遺贈や贈与があったことを知った時から1年経過すると時効消滅してしまいますので、注意が必要です。
このようなケースにおいて、弁護士に相談しなかったために気付かず、本来持っている権利を失ってしまう方もいらっしゃいますので、早めに弁護士にご相談されることをお勧めします。